ストリップ・ストーリー 2

「男の人が倒れている」110番通報の女の声には妙ななまりがあった──。マンションで死んでいたのは大学を中退した無職の若い男。姿をくらましたのは同居していた外国人ストリップ・ダンサー。彼女の身に一体何が起こったのか。彼女はなぜ真の素性を偽らなければならなかったのか。「じゃぱゆきさん」と呼ばれた外国人女性たち、経済大国ニッポンの底辺に生きる彼女たちの姿が、法廷での関係者の供述から次第に明らかにされていく。感動の直木賞受賞作品。(BOOKデータベースより)




人間とは怖いものでマナ板ショーだの個室マッサージだのSMショーだのと、ストリップ劇場の中で毎日繰り広げられる異様な光景にもやがて慣れてしまい違和感を感じなくなってしまう。
大宮のストリップ劇場を辞めた後ようやくまともな感覚を取り戻し、すごい現実を見た、えらい体験をした自分を持て余し、特に性搾取されているフィリピン女性たちのことを誰かに伝えずにはいられなかった。
駅前で社会活動家が配っているビラや街角の張り紙などでアジアの貧困問題を考える集会を見つけてはそこへ足を運び、遠い外国ではなくすぐそこのストリップ劇場の中にいるフィリピン女性たちがどんな目に会っているか訴えた。
しかし、そんなことをしても具体的に何ができるわけでもなかった。
そんなある日、笹倉明という人からストリップ劇場とじゃぱゆきさんのことを聞きたいと連絡があった。
一緒に大宮のストリップ劇場を辞めた上司が始めた居酒屋で笹倉さんと酒を飲みながら話した後、彼はその上司に頼んでなんとそのショーアップ大宮劇場に就職したのだった。
作家笹倉明が自分の目でストリップ劇場の現実を見て、その体験をもとに書き上げたのが上記の小説である。

第101回直木賞受賞作品『遠い国からの殺人者』
面白いです！読みだしたら止まりません。
現在は絶版となっているためネットで探していただくか、電子書籍でぜひご一読を！！