2008年12月24日

奇跡の旅 12

時間はもうすでに2時半を回っていた。今から出発しても学校へ到着する頃には日が暮れているだろう。しかし明日はタチレイへ行く事になっている。帰ってくるのは土曜日の午後だ。日曜日には帰国しなければならない。今しか時間がない。行こう!

その時ジョニーがコーンという若い運転手を連れてきた。
「エーヤワディまでは遠い。サイクロンで道もずいぶん壊れているから車もいたむし運転も大変だ。
コーンは若くてスタミナがあるし運転もうまいからこいつに運転をさせてやってくれ。
そこでだ。長距離運転の運転手と二人のガイドをつけたタクシー代として300ドル、通行許可証を取ってやった手数料として100ドル、合計400ドル払ってくれ」

キタ━━━━━━━━━━((o*>д<)o━━━━━━━━━━!!!

くうぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・ o(>△<)o ここでぼったくるかあぁぁぁぁぁぁぁぁ

しかし、通行許可証をヤツが握っている限り抵抗できない・・・(´ヘ`;)


高い安いと押し問答している時間ももったいない。「ああ、わかった、わかった」と降参せざるを得なかった。
しかし、不思議と腹は立たなかった。旅行社のスタッフや元国連機関の職員など、いわゆるエリートでもできなかった事を草の根の彼らがやったのだ。
エリートたちは軍事政権ににらまれるのを恐れて、一度「ノー」と言われたら、わかりましたとスゴスゴと引き下がり、「無理です」「不可能です」「あきらめてください」と客の方を押さえ込もうとする。
ゴロツキガイドたちは空港で捕まえた外国人客からもらう金が生活費のすべてだから、怒らせないようにケンカにならないように巧妙な話術で丸め込みながら、少しでも多くの金を得ようとサービスでがんばる。
通行許可の担当官を説得できたのも、まさにこの職人技がものを言ったのであろう。
あんまりしつこく食い下がって担当官を怒らせてしまったら逮捕されてブタ箱行きである。
押したり引いたり相手の顔色をうかがいながら、おだてて媚を売ってうまくその気にさせる。
雑草らしい強くしぶとくしたたかな交渉術の勝利だ。実にあっぱれである。
もちろん賄賂も渡したのかもしれない。それを含めての400ドルである。

金は使うべきときには使え。必要なときにはド~ンと使って運をグイっと引き寄せろ!
今がそのときだ。エーヤワディに向かってしゅっぱぁ~つ!!

奇跡の旅 12


「ここで誘拐されたら俺も終りだな・・」と笑えない冗談をつぶやきながら・・



・・・つづく


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Posted by しょうのみ at 01:40 │旅行