2008年12月21日

奇跡の旅 9

ヤンゴンのパンダホテルへ戻り、ロビーでジャパンハートのトゥザさんと会った。
国境の橋の下に捨てられていた姉妹の話を聞いた。
姉妹は幼い時にタイに売られていったためミャンマー語はほとんど忘れていたという。
親はどこかと聞いても幼い頃の記憶しかなく、山の方だとしか答えられない。
国境のあたりは山だらけだ。「山の方だ」だけでは家族を探しようもない。

姉妹の話を要約すると、家族は国境付近の山岳民族で、兄弟が多く貧しかった。
ある日、タイの人が家へやってきて、一人15,000バーツ(約40,000円)を親に支払い、自分たちをタイに連れて行った。
そのタイ人は13、4歳になった頃、自分たちを売春業者に売った。
ミャンマー、タイ、ラオスの国境が接する『ゴールデントライアングル』と呼ばれる、麻薬とギャンブルと売春の歓楽街で姉妹は体を売らされた。
エイズに感染してもタイの国籍がないから、タイの病院で治療を受ける事はできなかった。
そして国境の橋の下に捨てられているところをタイの警察に保護され、ミャンマー人だとわかりミャンマーの警察に引き渡されたという。

ミャンマーの警察は、こういうことは国としても恥ずかしい事であるので、現在、姉妹はその存在を隠されていて面会も許されないとの事。



なんということだ。
大人のおもちゃにされ、生ゴミのように橋の下に捨てられ、生まれた国の言葉も忘れ、親兄弟と再会する事もかなわず、その挙句に国の恥と呼ばれ、世の中から存在を隠されたまま狭い病室の中で死んでゆくというのか・・・


・・・つづく


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Posted by しょうのみ at 01:32 │旅行
この記事へのコメント
そんなの人間ぢゃないぢゃん(:_;)

人間として生きてないぢゃん、

『物』のようにお金であっちこっち…

両親はなんでそんなに子沢山?

男の子なら家事をさせるけど女の子だから…?
Posted by ann at 2008年12月21日 09:04