2008年12月27日

奇跡の旅 13




これがサイクロンの爪痕か。ヤンゴンからエーヤワディへ続く幹線道路がズタズタ。
一年前は100キロの猛スピードで学校めざして走っていったこの道を、今回は穴にタイヤを落とさないようにゆっくりジグザグに走らなければならない。




土木機材も不足しているこの国では、道路の補修工事も人の手作業に頼るしかない。




外国メディアは軍事政権が民衆を強制的に働かせていると報じているが、どこにも兵士の姿は見当たらない。
唯一兵士を見たのはエーヤワディ管区へ入る手前の検問所。
車を停め、ジョニーが意気揚々と検問所の軍人に通行許可証を見せる。
「この日本人はエーヤワディの貧しい子供たちのために学校を作った人です。サイクロンでどれほど学校に被害があったか、これから見に行くところです」と、まるで自分が私の代理人だといわんばかりに誇らしげに軍人たちに話している。
もちろん軍人や検問所の写真撮影は禁止なのだが、「カメラを持っているところを見つかったら撮ったものを見せろとか、メディアカードを没収されるかもしれないぞ」と日本では言われていたけど、うっかりカメラを首からぶら下げたままだったのに何も言われなかった。
それどころか、「ご苦労様です」と上官は恭しく敬礼してくれ、若い兵士たちも「お気をつけて」と笑顔で手を振って見送ってくれたのである。
これが世界中から非難を浴びているミャンマーの軍事独裁政権の兵士たちなのか?




検問所を通り過ぎると、道はますます悪くなってきた。
コーンはせわしなくシフトレバーを動かして2~30キロのスピードで車を走らせる。
こんなにゆっくり走っていたのではいつになったらたどり着けるのだろう。気持ちばかりが焦る。


もうじき日が暮れる・・




・・・つづく  

Posted by しょうのみ at 01:03旅行