2008年12月17日

奇跡の旅 4

昨日の「奇跡の旅 3」で軍や警察の圧制で自由が制限されていると書き、なんだか街のあちこちに兵士が立っていて常に市民を監視しているような国かと思えば、写真を見るととても美しい朝の風景で人々ものんびり豊かに暮らしているように見え、違和感を覚えた方もおられる事と思います。
実際、街の中でも兵士や警察官の姿はあまり見かけません。
では何が不自由なのか?誰が監視しているというのか?
それは市民自身なのです。
たとえば、誰かが軍事政権に対して批判的なことを口にしたりすると、それを小耳に挟んだ誰かが警察に密告するのです。
なぜ密告したりするのか?
密告する事で私は軍事政権側の人間ですよ、あなた方の見方ですよ、役に立つ人間ですよ、だから可愛がってくださいネ!・・というわけです。
そうやって権力側に取り入って、利権を得たり許認可を受けやすく取り計らってもらったりするわけです。
ですから人々が一見和やかにおしゃべりしているように見えて、腹の中ではお互いに警戒しあっており、政治の話などはほとんどしません。するとすれば他人の目や耳を気にしないで話せる家の中か走行中の車の中ぐらいでしょう。




中立的な立場を守るために軍事政権側の立場にも少し私見を述べておきます。
ミャンマーという国は小さいものまで含めると実に135もの民族からなる多民族国家なのです。
現在の軍事政権は日本人にわかりやすくたとえるならば徳川幕府のようなものかもしれません。
上杉、毛利、島津など各地の大名が勢力争いをしている戦国時代を終わらせ、社会を安定させるためには力ずくで押さえ込む事もやむを得なかったのでしょう。
参勤交代など大きな負担を強いて経済力を弱めさせ謀反を起こさせる力を奪い続けたように、国民の経済活動を規制して貧しい状態においておく。それが多民族社会のミャンマーを安定させる唯一の道だと考えているのではないでしょうか。
もしアウンサン・スー・チーさんが政権の座につき民主主義政治を始めたら、自由、平等を楯に各民族が自分たちの権利を主張し始め、また戦国時代に突入してしまうのではないでしょうか。
フセイン政権が倒れた後のイラクのように。




さて、本題の旅の話に戻ります。

翌日、私の体はまだ日本時間のままだったので5時ぐらい(日本時間=7時半) に目が覚めてしまい、夜が白々と明けてきたぐらいからホテルの外へ出て、朝食が始まる7時まですがすがしい朝の風景を撮ってすごした。
8時半ごろジョニーとジミーが私を空港へ送るために迎えに来た。
彼らにしてみればヤンゴン市内をタクシーであてもなく流しながら客を拾うより、私のような一人旅の外国人を捕まえて、喧嘩別れになるような無理なぼったくりはせずに妥当な値段で客の要望をかなえてやり、専属ガイドのようにくっついていた方が効率がよいと考えているのだろう。

昨日、私が建てた学校の写真を見せながら、5月にミャンマーを襲ったサイクロンの被災地は現在外国人の立ち入りが禁止されており、この地域に私の学校があるため学校の被害の様子や先生や生徒たちの様子もわからず心配だ。私はこの学校を建てたオーナーなんだからどうして自分の学校を見に行ってはいけないのか?何とか行ける方法はないのか?と以前からいろんな人に聞いていたが皆一様に軍事政権が許可しない、無理だ、不可能だと言うばかりだ・・というような話をしていた。
ホテルから空港へ向かう車の中でまたその話になり、ジミーが「俺が頼んでやろう」と車を停め公衆電話でしばらく話していたが、暗い顔で戻ってきて「やっぱりダメだそうだ」と言う。
当たり前だよな。正規の旅行社を通して頼んでも無理なものが空港にたむろして外国人を狙っているゴロツキガイドなんかの頼みを当局が聞くわけがない。(苦笑)

・・・つづく  

Posted by しょうのみ at 17:44旅行

2008年12月17日

今日の困ったちゃん 4

やってまいりました第3水曜日、『埋めるゴミ』の日です。

困ったちゃん一人目 石油ストーブ



困ったちゃん二人目 電子レンジ



どっちも金属ゴミだっちゅうねん!



でも今はそんな事にこだわっている場合じゃない。
皆さんの関心事は軍事独裁国家ミャンマーに一人乗り込んで行った中年男の顛末記。
今夜には第4弾を掲載する予定です。お楽しみに (^-^)ノ  

Posted by しょうのみ at 10:47迷惑な人