2012年09月02日

いじめと戦う 3

昨日、知立市文化会館で『親の顔が見たい』という芝居を観てきた。
いじめと戦う 3


知立市文化会館『パティオ池鯉鮒(ちりゅう)』
いじめと戦う 3


いじめ問題を扱った作品が上演されるとあって、新聞各紙でも大きく取り上げられていた。
【中日新聞】
いじめと戦う 3


【朝日新聞】
いじめと戦う 3


いじめを苦に自殺した女子中学生が残した遺書に書かれていた加害者と思われる5人の生徒の親や祖父母が学校へ呼び出され、会議室で今後の対応を話し合うというストーリー。
「うちの子は関係ない」と責任逃れをする親、問題を大きくしないよう口止めする学校側、「そもそもいじめなどなかった」と遺書を燃やしたり破って飲み込んだりして証拠隠滅を図る親。
真相の究明や問題の解決より親たちの保身やエゴが炸裂する。

効果音や舞台転換などの変化もなく、机とイスと黒い壁だけの簡素な閉ざされた空間の中での動きの少ないセリフ劇は、観る側にも2時間にわたる忍耐と集中力が要求され、それに耐えられない観客の中にはひそひそ話をしたり携帯をいじったり途中で退席する者もいた。
タイムリーなテーマだしマスコミの記事で興味を持って観に来た観客には、リアルないじめの現場が観られるのではとの期待があったのかもしれない。
パンフレットの演出家の挨拶にも「役者には、うまく見せる演技より内なる気持ち・感情を精一杯、吐露する表現をお願いしました・・」とあるが、観客という傍観者にどれだけ強い問題提起ができたのだろうか?

安全、安心、安定を望む暮らしの中に理由もなくわき上がる不安。
自分が自分の人生の主役にどうしたらなれるのだろうか?


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Posted by しょうのみ at 14:43 │演劇