2010年12月20日

謎の新首都、ネピドーを行く

マグエからヤンゴンに戻る途中、ヤンゴンから遷都した新首都ネピドーを通った。
外国人は立ち入り禁止なのだが、高速道路を使わないとヤンゴンまで帰るのに時間がかかるので、高速道路の入り口になるネピドーへ敢えて入った。

まだ建設途中のネピドーには、あちらこちらで町や道路の建設に従事する人たちがいる。
謎の新首都、ネピドーを行く


もちろん写真撮影は禁止だ。
しかし、あの謎の新首都、ネピドーに来ているという緊張と興奮でどうしても撮りたい。
周りをきょろきょろ見回して軍人や警官の姿が見えない隙にカメラを持ちあげ、高速連写で撮りまくり、サッと膝もとへ隠す。
ピントも何もあったものではないが、出発前に買い替えた新型カメラはそんな状況でもちゃんと撮ってくれていた。
謎の新首都、ネピドーを行く


謎の新首都、ネピドーを行く


謎の新首都、ネピドーを行く


軍人や警官の姿が見えないからといって安心はできない。一般市民にも不審者や政府を批判する者を通報する義務があるのだから、いつ誰が報酬目当てに密告するかわからない。
捕まったらそれこそ一巻の終わりだ。
運よく国外退去で済めばいいが、刑務所行きになれば日本へ帰れない。
ガイドさんたちも責任を問われ、所属する旅行会社も営業停止になる。
それでも黙って撮らせてくれたのには、ただただ感謝するしかない。

いよいよ町の中心部に入ってきた。
謎の新首都、ネピドーを行く


政府の役人たちの宿舎。
謎の新首都、ネピドーを行く


謎の新首都、ネピドーを行く


謎の新首都、ネピドーを行く


政府機関の建物。
謎の新首都、ネピドーを行く


これを撮った時点で「もういいでしょう?」というガイドさんの怯えた声に、「はい、ありがとう」と素直にカメラをケースにしまった。


大都市ヤンゴンから片田舎のネピドーへ首都機能を移転させた理由は、サイクロンの直撃を受けないためとかアメリカとの戦争に備えて、すでに巨大な地下要塞も作られているとかさまざまな情報が伝えられているが、その中の一つに占い師の進言があったとまことしやかにささやかれていて、多くのミャンマー人も占い師の関与を信じて疑わない。
実際ミャンマー人の占い好きはかなりなもので、会社をいつ拡大するべきか、ある人物を雇うべきかなどの経営上の悩みから、新しい商売を始めたいのだが、どんな商売がいいだろうという「丸投げ式」の相談もあるという。
(瀬川正仁著「ビルマとミャンマーのあいだ」より抜粋)


なんとかバレずに高速道路入り口にたどり着き、6回目のミャンマーで初めて経験する土砂降りの雨の中を一路ヤンゴンへ向かった。


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Posted by しょうのみ at 17:18 │旅行